いつだって自分が一番難解 ~SFセッションを受けて~

自分がどうやって物事を判断しているのか。
なぜ過去の記憶がふとした瞬間に脳裏をよぎって息が詰まる思いをしなくちゃいけないのか。
どうして自分がそう感じてしまうのか。

息苦しさと好奇心のまま「なぜ」「どうして」「どうやって」に導かれて大学で心理学をかじった。

過程を飛ばして結論を話せば、私は結局自分との対話はどこまでも主観が混じってしまい、ケーススタディを読むような俯瞰的に自分を見つめることはできなかった。
”こうだ”と一度は結論付けても悲しいことに根拠は自分の中にしかなく、本当にそうだったのか?とすぐに内なる声に否定してくる。
本当にそう思ったからそう考えたのか、そもそも私はそのとき考えていたのか。考えるとはなんだ。ぱっと天啓のように降ってきた結論に後から理由付けをしているのだけではないか。

つまり、自分を知ることなど到底できなかったのである。
学問は苦しかったけれど、楽しかった。学べば学ぶほど何も知らないという壁にぶつかり、その壁をどうやって乗り越えていいのかを考えているうちに時間がすぎていく。私は学んでいたいつもだったけど、齧っているだけだった。先人が残したおいしいものの部分だけを食べているのだと気づいた。
楽しかったし苦しかった。

正直、いろんなことがありすぎて学問1としての記憶はほとんどない。過程でコーチングやカウンセリング、催眠療法などのほうがよほど記憶に残っている。

自己を知る、は本当に難しい。
まだ身の程を知るほうが簡単だとさえ思う。
つまり、私は己の自己を見つめるためのフィルターをついぞ取ることができなかったのである。

閑話休題

昨年、会社のトレーニングでストレング・スファインダー(”SF”)を受けた。

こじんまりとした会社とはいえ、結果さえしっかり出しておけば割と自由にさせてもらえるし、多様性を重んじるいい会社である。コロナの際も海外で騒がれ始めた時点で在宅勤務を一斉導入したし、今も最低週2は在宅勤務2ができる。

そんな会社が受けろというのだから受けてみたのである。
受け終わった後どこか既視感があると記憶を辿ってみると、大学生のときにもSFを受けていました。書籍に付属している簡易結果がでるものでしたが、上位5つ資質を知ることができた。活用できたか、という観点ではNOだけれど、自分の傾向はなんとなく掴むには十分だった。

大学生時(1x年前)の結果はこちら。
2023年末はこちら。

大学時代のものは英語、昨年は日本語で受けたが、言語は違うものの大きな変化は見られない。

昨年末に最新の結果を使ったimprovementのセッションを受けたものの、個人にフォーカスしたセッションではなかったので、JJFに大人気のしずかさんのセッションを受けた。

(ここまでが長い背景説明と導入)

自己認識というなの母との比較

セッションを受けるまで、地に足がついていない人間だと自認していた。
一つのことに注力して磨き上げるのではなく、好奇心が赴くままその時々熱中するものを見つけてきたからだ。

興味の始まりはいつだって「なんで」「どうして」からだし、「なるほど」「そういうことか」と自分なりの結論に至るとすぐ次のトピックに惹かれる。
そんな私を見ている母親は地に足がついていないと評価している。

納得感は確かにある。
比較対象は圧倒的職人肌の母だからだ。

私の母はパソコン黎明期の時代から引退する数年前までSEをやっていた。
プログラミングの教本から関連書籍まで家に山のようにあり、それを隙間時間で勉強する姿も見かけた。言語は違えどプログラミングの世界を突き詰めていったような人である。
そんな人から見れば私はさぞやふわふわと浮ついて見えていただろう。

しかし、母には通用しないものの、自分の中では筋を通しているつもりであることが多い。
自分なりのロジックは、母に理解されなくとも明確にあるのである。

物事には始まりと順序があり、現象には理由がある3はずである。
現実には”何もしていないのにパソコンが壊れた”ということはない。自分が認識していないだけで何かをしたからパソコンが壊れるのだ。

運命か必然かは認識の齟齬である。

セッションの概要

しずかさんのセッションではSF自分の上位資質を上から順に思い当たるエピソードを話していく。
私の場合、13素養分のエピソードをシェアしたわけだが、振り返ってみれば単語に対する解釈が中心で、どのエピソードも話す前に前提条件を確認したり、仮定をおいていた。

これは完全に癖である。
自分が見えている世界と他人が見えている世界は異なるのだから前提条件をそろえておかないと齟齬が生じること4を経験しているからだ。

今回のセッションは在宅勤務日のランチタイムを利用しているため、Zoom形式にしていただいた。
しずかさんは非常に親しみやすく、物腰柔らかな女性で一切否定的なコメントはなく、何を話してもうんうんと肯定してくれるので一生懸命話す、というより頭の中を整理していくというイメージでお話できた。
また、しずかさんは傾聴のトレーニングを積んでいると思うので、知らない人に自分のことを開示することに躊躇しているのなら、具体的な思考手順にストーリーを添えるだけで汲み取ってくれるので安心して欲しい。

さて、上位資質とされる全13エピソードを話し終えて、いよいよお楽しみのフィードバック5タイム。

セッションのフィードバック

注意としては、すべてRyoの主観・フィルターを通しての文面であり、しずかさんの監修を受けているわけではない。また、Ryoはインストラクター資格を有しないため個々の詳細についてはしずかさんのセッションを受けることをお勧めする。

さて、しずかさん作・Ryoの路線図はこちら。

一直線である。
スタートからゴールまでまっすぐで一直線である。
初見の際は驚いた。てっきり分岐が2-3あるなと思っていたが、横道にそれることなくきれいな一直線だ。

そして、まさかの自家発電(職人)タイプだった。
しずかさんにコメント頂いたときはホントかな、と半信半疑だったが、思い起こせば同僚にも「Ryoさんって職人よね」と言われたことを思い出した。そして夫に話した際に「気づいてなかったの?」とも。
夫曰く、書類仕事でもなんでもゴール地点を決めてそこに向けて最短距離で迷わず一直前になるし、仕上がりも興が乗れば求められている水準のはるか上になるまで仕上げてくるあたり、職人らしい。

た、たしかに…。幾度となく自分の首を絞めた記憶がある。
求められている基準をクリアするのが当たり前で、時間と心の余裕と興味が向けば120%まで仕上げているし、それを喜んでもらえるのを見ると達成感を感じているし…。みんなもそうだと思っていた。

ちなみに、職人とは暫定的な行動する際に自分から能動的に動けるひとのことで、緑+赤の組み合わせが多い人に多い6とのこと。
具体的にそれぞれの色は、青は他人を行動のトリガーにするひと、赤は自分をトリガーとするひと、緑は考えることがすきなひと、黄は体育会系リーダーシップに溢れたひと、だそうだ。

具体的に路線図を見ていくと、私の行動原点は回復志向。つまり、足りないところを見つけるのが得意とのことだ。

以下、Ryoの思考回路7である。

足りない/補うべき箇所を見つけて(回復志向)状況を大まかに把握し(学習欲)どこまで補うかゴールを決めて(目標志向)から行動に必要な素材をまとめ(収集心)、関連界隈から話を聞き(親密性)ながらその界隈が持つ情報を把握(個別化)、全ての情報を分析して共通点や相違点を分類して理解(分析)して、自分の中に落とし込む(内省)。
定めたゴールへの道筋が見えて(自己確信)から押さえておくべき枠組み/構造を理解して(規律性)から、行動を始め(活発性)、関わるものに意味を見出し/判断し(自我)定めたゴールに到達するまでやり遂げる(達成欲)。

長い!
気づいてから実行するまでのプロセスが長すぎる。実際のアクションはわずか3に対して行動開始までに10ものプロセスを踏んでいる。

確かにコンセプトを決めようとした段階でもいろいろ納得できるまで調べたのち、結局仮コンセプトを決めるまで動き出せなかった。

フルオーダーのピンキーを作ったのも欲しいと思った2023年3月から調べ始めて実際にオーダーしたのは2024年2月。その間いろんなブランドで試着を繰り返し、どれもしっくりこなかったからオーダーに切り替えた。

まさしくこの路線図を辿っている。
すごい、私じゃん。これが私らしさじゃん。

そして、下図が私の資質振り分けである。曰く、上位・中位・下位に分けることができるのだそう。

私の場合、上位は13、中位は20、下位は1という結果になった。
スマホに例えると、上位はバックグラウンドで常に立ち上がっているアプリ、中位はインストールされていていつでも使用可能な状態になるアプリ、下位はダウンロードしていないアプリ、だそう。

中位の中でも順位が低いものを使おうとするとだいぶ疲れることになるのだそう。
思い起こせば体調を崩しているときは黄を多用しているときな気がする。

そして、下位は使うことが選択肢に入りづらいらしい。
確かにそう。私の上位資質(個別化)の対局にある包含(人は基本的に皆同じであると信じること)はそもそも使うことがない。人はそれぞれ異なるから面白いのに一緒くたに考えることがそもそも思い浮かばないのである。

想像以上にしっかりと”私”という存在が結果に現れていて大変興味深い。

最後に

そんなわけで初めて受けたSFセッションは大変に楽しかった。
第三者の目線から見たRyoという存在と自己認識がかけ離れていたし、今まで聞き流していたコメントを見事に伏線回収していてゾクゾクした。

SF自体はそのひとの性のようなもので、ほぼ変わることがないそうだが人生のターニングポイントの前後にまた受けたいと思う。

SF受けたけどよくわからないあなた
SF受けてみたいあなた
SFってそもそも何よというあなた

ぜひともしずかさんのWEBをお勧めする。
自己理解の取っ掛かりとしても、読み物としても大変興味深い記事が盛りだくさんだ。

備忘録

しずかさんにお聞きした気になる中位資質と下位資質のイメージである。Ryoフィルターを通したメモ書きであることを再度強調させていただく。

社交性:Party People! パーティーのステージ上で踊れるタイプ。盛り上げ役。
コミュニケーション:一方通行のプレゼン。大学教授。
未来志向:うっとり夢見るラプンツェル。不動の乙女。
調和:中間地点を探しがち。
共感性:「わかるわかるーっ!」と言える(Ryoにとって)稀有な存在。あなたと私が一緒で嬉しい。

  1. 最終的に自分を知ることを諦めて経済を学んだ。楽しかった。人は合理的に判断を行うと仮定して考えることも、いやいや人は不合理でしょと現実を見ることも楽しかった。頭はよくなかったけど統計学も楽しかった。 ↩︎
  2. もちろん出社したければすればいいし、したくないなら在宅を増やしてもいい。結果さえだせば、どこで働いていようが問題ないそうだ。さすがに税金の問題があるか日本国内にいる必要はある。 ↩︎
  3. 息子に対しても「物事には順序がある」と事あるごとに伝えている。出産するまで口癖でもなんでもなかったが、気づいたら口癖になっていた。自分の思考回路を他者(息子)に伝えるとき絶対に共有すべき前提事項だと認識しているからだと思う。 ↩︎
  4. 留学時代、“normally/普通”には随分と苦い思い出がある。 ↩︎
  5. ここでのフィードバックは、相手の考え方や実際の行動に対して指摘のみ。具体的には、目標達成に必要な問題解決や成長促進を目的として、軌道修正や動機付けを促すコメントを指す。評価は行われない。 ↩︎
  6. 一方、黄+青の組み合わせが多い場合は行動する際に他人が必要だそう。 ↩︎
  7. 仕事もプライベートも概ね同じ回路を辿っている。なんて面倒な女なんだ。 ↩︎

この記事を書いた人 Wrote this article

Ryo

夫息子と猫4匹と郊外に暮らす外資系OL。 好きなものはコスメとカメラと猫。 イメコンスペック(プロ診断) ビビ冬スト秋 - 限りなくニュートラル。黄みも青みも振りすぎるのNG ストレート・ハイファッション - 筋トレ育乳中 ほぼクールのエレガント - アクキュ寄せOK

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